(本ブログは月水金に更新されます。コメントはmytube20062000@yahoo.co.jp へ)

 万が一 マスコミ予想 くつがえし と期待はすれど 結果は失望

 民主党の、とりわけ「菅、野田、枝野」氏等のあの愚劣なガヴァナンスが今回の結果の主たる原因なのでしょう。それがゆえに共産党の議席増を生みました。しかし、私が切に望んだのは反自公勢力の力強い前進でした。実際、それしか、安倍政権の蛮行とも言うべき政策を押しとどめることはできなかろうと思ったからです。しかし、圧倒的多数の四千万を超える国民が為した選択は私の願望と真反対でした。原発問題、TPP問題、増税問題をきちんと考えて、四千万国民はそうした選択をしたのか?
 この選択で、検察は再び「冤罪」つくりに邁進するでしょう。ジャーナリズムは引き続き、「政府の木鐸」(漢和辞典によれば、木鐸には権力の意向を庶民に伝達するとの意もあります)として権力の顔色を窺った報道に拍車をかけるでしょう。などなど、次から次に愚痴が頭を駆け巡ります。
 しかし、私の願望は圧倒的少数であることがわかりました。どう見ても私の危惧は真っ当だと思うんですが。
 この選択をした四千万の中年、青年、彼らが、これからの日本を支えてゆくのです。せめて、その不幸な結末を目撃せずに死にたいものです。

+++++TV番組「空白の五世紀」へのコメント
 NHKで放映された「BS歴史館」という番組(「空白の五世紀」、7月18日放映)の録画を見せて貰いました。これをご覧になった方も少なくなかろうと思います。そうした方々の記憶が薄れない内にと思い、当初の予定を変更して、このTV番組について二・三コメントしておきます。番組は1978年埼玉県行田の稲荷山古墳で発掘された銘文が刻まれた鉄剣をめぐって学者さんが語ります。

(1)銘文に刻まれた「辛亥」について
 これを、コメントするには、私の2009年12月28日のブログ記事の引用が不可欠です。その記事で掲載した図をまずはここに再掲します。図は埼玉県南西部です。上方の稲荷山古墳のあたりが行田、氷川神社のあたりが大宮、右下は朝霞です。私はこの朝霞は安積同様「火を信仰するサカ」族に由来すると考えています。これが後世「アスカ」に転化したのです。:
siki

 この記事を基に私は、2010年1月13日記事で以下を書きました:
%%%%%過去記事引用
12月28日の記事で私は一つの図を示しました。それは、あの有名な「銘文つき鉄剣」を出土した埼玉県稲荷山古墳と、その南南西にある志木の位置関係を示したものでした。既に書いたように、鉄剣に銘された「斯鬼宮」(しきのみや)は、奈良盆地の磯城ではなく埼玉県の志木であると私はブログ2009年12月28日の記事、および2008年12月22日の記事で書きました。あの図はそれを論証するためのものです。
 そこで、先ずは、稲荷山古墳から見て、志木にある宮戸神社の方位を算出してみます;
埼玉古墳―宮戸 d=33.3733(km),a=163.4781,b= 343.5399
この 163.5度は、(2010年)1月1日の記事で書いた八溝山―鹿島神宮の方位と同一と言っても良いほどです。何故なら、その違いは一度を越えないのですから。私はこの一致は驚くべき事と思っています。12月28日に掲載した地図の右に付した説明で私は、「南南西」の方向がシリウス星の方向と書きました。そこで、今回はそれを検討する事とします。(以下過去記事の転載は省略しますが、私は、これに続く記事で、1500年前のシリウス星の位置を天体座標計算で行っています)
%%%%%

 シリウス星の地球から見た位置は(夏至日真夜中)年々規則的に移動します。この規則性から、古代の築造物の年代決定が可能であることを、たとえば2013年3月22日記事で書いてきました。
 この記事で示した年代表を使うと、稲荷山古墳と志木・宮戸神社(埼玉県)を結ぶ直線の方位は西暦518年頃のシリウス星の位置であることがわかります。言い換えれば、この直線配置が構築された年代が西暦518年前後と見積もることができます。精度を前後15年程度と考えれば、この線配列は503年から533年と思えます。テレビでの議論では鉄剣の銘にある太歳「辛亥」を西暦471年ときめてかかっていますが、これに60年を加えた531年も辛亥なのです。

 下に見る私の年表(日本書紀編年が明瞭に示す、二重王制を考慮して作成したもので、詳細は4月10日記事)では、それは、宋書が書く「武王」(所謂倭の五王のお一人)時代の末期に相当します。蛇足ですが「武」の和風訓(よ)みとして「たける」が充てられたのがこの時代ではなかろうかと思っています。2012年11月21日の記事にも書きましたが、「武王」こそ日本書紀に登場する「日本武尊」のモデルと私は考えています。統一規格の鉄製武器の普及なども、それが武王時代になされたと考えることで、説明ができます。
historyV6

(2)番組での森博達氏の指摘の重み
 森氏は、漢語・漢文に関する卓抜した知識から、日本書紀の謎を解明し、古代史分野に巨大な衝撃を与えたことで知られる方です。本ブログでもしばしば引用しています。番組で、森氏が鉄剣の銘文を当時音されたであろう正確な発音で、読み上げました:「テオカリオワケ」。その上で、「エ」行と「オ」行で始まる言葉は東北地方の方言であると断じます。したがって、この鉄剣は中央から賜されたものではなく、自らが指示して鍛造したといいます。ワカタケルに前に列記される七つの名前は鉄剣所有者の先祖で、彼らも東北の人間であろうとまで言い切るのです。

 もし、渡辺豊和氏がこの番組をご覧になっておられれば、ずいぶんと喜ばれたのではなかろうかと想像します。私は、渡辺氏の仮説を検証するためにこのブログを始めたわけですから、まさに我が意を得た思いです。中央アジアに拠した「サカ」族たる「高昌」が遠く間宮海峡を渡り北海道を経て東北日本に南下渡来した。それが渡辺氏の仮説です。渡辺氏は、その痕跡をシリウス星観測の痕跡で検証できると自著「扶桑国王蘇我一族の真実」(新人物往来社)で書きます。

(3)その他、いくつか気づいたこと
 このTV番組のタイトルが「空白の五世紀」でした。しかし、上の私の編年ではむしろ六世紀の半ばまで空白なのです。そして、五世紀の前半については大陸の『正史』で記述される「倭国伝」から詳細ならずとも何がしかの状況を知ることができるというのが古代史の現状です。

 この番組の冒頭で、出席者のどなたかが指摘していましたが、文献としては古事記、日本書紀、万葉集しか、当時を知る手がかりが無いのです。日本書紀が上梓された後、平安時代以降公家・学者が、これらの文書を解読し、それを書き留めたものを後世に遺します。学者さんはそれらのいわば解説書から、我々素人が届かない知識を積み上げます。しかし、それは、所詮、藤原不比等が編じた倭国史なのです。したがって後世の文書ですらも批判的に読まない限り、真実は見えてこないだろうと考えています。まあ、これは「ド素人の負け惜しみ」議論でありますが。

というわけで、天武天皇論は次回にします。

+++++久しぶりに科学記事の紹介です。
 米国科学雑誌7月15日号です。水の地下への注入あるいは、くみ上げが時に地震を引き起こすことは知られています。記事の冒頭では、2010年のチリ地震(M=8.8)が、米国オクラホマに地震活動を引き起こし、2011年11月にはその活動は頂点に達し、M=5.7もの地震まで引き起こすに至った事例が紹介されています。遠方の巨大地震が、微小な地震活動を引き起こす事例で有名になったのが、2004年12月のスマトラ地震が米国西海岸に地震活動です(2013年4月22日記事)。しかし。この事例では、米国西海岸は、地下水のくみ上げあるいは圧入サイトではありません。以下の記事では、地震活動が誘起されるサイトで水の高圧注入あるいはくみ出しが為されている事例を挙げています。
%%%%%記事紹介はじめ
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=drilling-and-pumping-wells-spawn-powerful-earthquakes&WT.mc_id=SA_CAT_SP_20130715
Injection Wells Spawn Powerful Earthquakes  「井戸への水圧入が大地震を引き起こす」
New research shows how human activity deep underground combines with natural earthquakes far away to set off potent local temblors
人間が地下深所をいじくることが、局地的な地震活動を解き放ち遠方の自然地震に感応することがわかった。By David Biello
Oil Addiction, Not Fracking, Caused the 2011 Oklahoma Earthquakes 「水力破砕ではなく石油採掘(?)が2011年のオクラホマ地震を引き起こした」
The middle of Oklahoma has become an earthquake hotspot because of the oil and gas industry—and also from powerful temblors around the world. In the area near Prague, Okla., where wastewater from oil and gas production has been injected down disposal wells for decades, a series of earthquakes broke out following the massive magnitude 8.8 earthquake off the coast of the Maule region of Chile in 2010. For months the grounds in Oklahoma periodically shook, culminating in a destructive 5.7 magnitude quake in November 2011.
According to a new paper published in Science on July 12, that makes the Prague earthquake not only the largest earthquake associated with wastewater injection but also the largest linked to another seemingly natural quake as an initiating trigger, despite the distances involved. And that suggests that such relatively small, remotely triggered earthquakes might serve as a warning sign of bigger shocks to come, according to geologist Nicholas van der Elst of the Lamont–Doherty Earth Observatory at Columbia University, who led the research.
 オクラホマ中部が石油と天然ガスのせいで地震ホット・スポットになった。プラハ(オクラホマ)で、石油とガス生産から排出される廃水は数十年間にわたって井戸に注入されてきた。その場所で、2010年のマグニチュード8.8チリ地震をフォローするように一連の地震が発生した。何か月もの間、オクラホマの地面は、周期的に小地震で揺さぶられ、ついには2011年11月にM=5.7の大地震に至った。
7月12日付け雑誌サイエンスの記事によれば、プラハ地震は廃水注入に関係する最大の地震として理解するにとどまらず、遠地での地震が引き起こした最大の地震でもあるとする。geologist Nicholas van der Elst of the Lamont–Doherty Earth Observatory at Columbia University,は、小さな地震活動が将来の大地震の危険への警報として役立つ可能性を指摘する。
Oklahoma is not alone. The Cogdell oil field near Snyder, Texas, had a similar reaction to the March 2011 massive magnitude 9.0 Tohoku earthquake in Japan, which caused a tsunami that resulted in more than 15,000 deaths and multiple nuclear meltdowns at the Fukushima Daiichi power plant. And the same Maule earthquake also set off a similar swarm of small quakes near the border of Colorado and New Mexico, where water was also being reinjected. "We were somewhat surprised, though, to find that the triggering actually foreshadowed the occurrence of moderate to large earthquakes at these sites, showing the buildup of underground fluid pressure," van der Elst notes.
The key is all that wastewater pumped back down under pressure as part of oil and gas production, which is on the rise in the U.S. again. As van der Elst describes it, slow-moving seismic waves from the distant earthquakes squeeze that fluid in and out of the deep rock, setting off local rumbling. The same thing happens in natural underground water-filled formations, too, like the magnitude 7.9 earthquake near Denali, Alaska in 2002, which set off temblors in the Yellowstone Caldera and changed the timing of geyser eruptions.
 オクラホマだけではない。スナイダー(テキサス)の近くのCogdell油田は日本の2011年3月の巨大M=9.0東北地震に対して同様の反応をした。この地震が引き起こした津波が、15,000を超える人名を奪い福島原子力発電所での核炉心溶解引き起こた。また、2010年のチリ地震は、コロラドとニューメキシコの境界で小地震を惹起した。ここでは、水が再注入されていた。「小地震のみならず中規模地震を引き起こすことを見て驚いた」とvan der Elstは地下水圧の上昇カーブを見ながら言っている。
 問題を解く鍵は、石油と、ガス生産サイトでの排水の地下への注入にある。van der Elstは、遠く離れた地震からやってくる低速の地震波が岩の内外の水を搾り出し、局地的に小地震を引き起こすのだと言う。同じことが、水で満たされた自然の地下でも起きた。2002年、デナリ(アラスカ)近くのM=7.9地震では、イェローストーン・カルデラで地震を起こし、間欠泉爆発の時間間隔を変えてしまった。
Such man-made earthquakes are not rare at all, and some come quickly after injection of wastewater, as in quiescent Youngstown, Ohio, which endured a magnitude 4.0 quake after wastewater injection started at a nearby disposal well. The shaking has not recurred since pumping stopped.
That such wastewater injection triggers quakes comes as no surprise. Evidence for them began in the 1960s, when the weapon–making Rocky Mountain Arsenal near Denver attempted to dispose of hazardous chemicals by pumping the liquid underground. During four years of such disposal, the pumping triggered 16 earthquakes, even after the injection stopped. And the U.S. Geological Survey (USGS) deliberately triggered quakes in the Rangely oil field in northwestern Colorado to determine what types of underground pressures might set off temblors.
 そうした人造地震は全くまれではない。ある場合には、排水注入直後に地震がおきる。それは地震的に静穏であったYoungstown, Ohio、であるが、近くの排水井戸のすぐ近くでM=4の地震が起きている。地震は、注入が止められた後は起きていない。
 廃水注入が地震を引き起こす事は最早驚きではない。それは、1960年台にわかった。デンバーの近くの兵器会社Rocky Mountain Arsenal 社が危険な化学化合物を水に溶かし地下に注入することを試みた時、そうした現象を立証する証拠が出てきた。4年間の排水処分が16もの地震を引き起こした。注入を止めた後さえ、それは続いた。米地質調査所(USGS)は、どのタイプの地下圧力が地震を引き起こすのかを知るために北西コロラドのRangely油田で、地震を引き起こす実験を慎重に行った。
Of course, it's not just injecting wastewater or deliberately cracking deep rock with high-pressure water—the technique known as fracking—that can set off quakes, notes a review of such injection-induced earthquakes by William Ellsworth of the USGS, also published in Science on July 12. Intensive water use ranging from creating large-dam reservoirs to excessive pumping of groundwater has set off earthquakes. Perhaps the best-studied example is the attempt to harvest heat deep underground to generate electricity, or geothermal power. At the Salton Sea in California, which boasts 10 geothermal power plants, earthquakes can actually be predicted based on the amount of brine extracted or injected, according to a paper published online by Science on July 11. "As operations expanded, so did the seismicity," the geophysicists from the University of California, Santa Cruz wrote.
 もちろん、それは水の注入、あるいは水力破砕として知られる高圧水技術で地下岩盤を破砕しそれが地震を解き放つということそのものではない。サイエンス7月12日号の中でWilliam Ellsworth of the USGSがレビュしている。巨大ダム貯水池を作る、あるいは過大な水圧を地下にかける、などは地震を引き起こす。恐らく、最も調査された事例は、地熱発電サイトであろう。
 the Salton Sea in California (10の地熱発電所が稼動している)では、地震が、水の注入、くみ上げに従って予知できる。実際に7月11日付けサイエンス・オンライン版での論文がそう書いている。「オペレーションと共に、地震活動が生じた」カリフォルニア大学サンタクルーズ校の地球物理学者がそう書いている。
But wells that pump large volumes of fluids underground seem to pose the most risk, and they may be responsible for the rapid rise in the number of temblors in the middle of the U.S. in recent years. There are at least 140,000 such injection wells in the U.S., the bulk of them used for pumping water or carbon dioxide underground to flush out additional oil from old fields. But 30,000 or so are used for permanent disposal of the nine billion liters of contaminated water that flows back up wells along with oil or natural gas in the U.S. each day. Given the lack of alternatives for disposing of such wastewater, the increase in small earthquakes from a few dozen to several hundred a year in the last few decades may prove to be a necessary risk.
Even if such wastewater injection ceases, the risk of earthquakes from the wells will remain, van der Elst says. "There's no guarantee that stopping injection would prevent diffusion of the fluids that are already present into susceptible faults." All that water underground may just be waiting for the next big earthquake—anywhere in the world—to set the ground in motion.
 しかし、多量の液体を地下に押し込むあるいはくみ上げる井戸は最も危険であるように見える。また、それらは、近年の米国中央部での地震活動の活発化の原因かもしれない。米国には少なくとも140,000の圧入井戸がある。大部分は水を汲みだすためあるいは、古地層からさらなる石油を搾り出すべく地下への二酸化炭素注入に使われている。しかし、30,000程度は、毎日90億リットルの汚染水の永久処分に使用されている。米国では石油または天然ガス産業でそうした井戸をバックアップしている。そのような廃水の処分に代替措置が無ければ、小さな地震が数個から年間数百個にまで増大し必然的に危険になるであろうと、最近の数十年間の研究で明らかになるかもしれない。
 そのような廃水注入が終わっても井戸からの地震の危険は残るだろう、とvan der Elstが言う。「注入を止めたから、断層へ既に存在する水が拡散するのを防ぐという保証はない。」(世界で)地下の水は次の地震を待っている。それはどこでも可能性がある。