(本ブログは月水金に更新されます。コメントはmytube20062000@yahoo.co.jp へ)

雲の上 粗忽(そこつ)の神が 躓(つまづ)きし バケツの水で 一晩眠れず

 昨夜半から今朝未明に明けて、当地はすさまじい雨が降りました。天気予報は「弱雨」だったのですが。雨音がすさまじく、一晩中寝そびれてしまい色々な夢を見ました。んそびれたのだから見た夢を覚えていそうなものですが、思い出せません。
 雨音を聞きながら、「これがバケツをひっくり返したような雨」棚と考えていました。
Rain buckets : rain as if a bucket of water is being emptied over someone's head
 実は、ロシア語でも同じような言い回しがあります。

 国際的科学雑誌として知られているのはnature(英国)、 Science〔米国〕です。今般の小保方問題について、当事者ではないが、nature誌のライバルであるScience誌は次のように報じています〔短文なので和訳は付しません〕。
%%%%%Science誌による小保方問題記事
http://www.sciencemag.org/content/344/6179/23.short
News & Analysis STEM CELL RESEARCH
RIKEN Panel Finds Misconduct in Controversial Paper、Dennis Normile*
Summary
A Japanese investigating committee concluded that image manipulation and the use of pictures from an old experiment constitute research misconduct in one of two papers reporting a new method of deriving stem cells. The head of RIKEN says he will call for the retraction of the paper if the committee's findings are confirmed on appeal. The lead author rejects the misconduct charges, maintains the problems resulted from simple mistakes, and contends the new cells really exist.
%%%%%
上記は、記事の要旨で、本文記事を詠むにはお金を払わねばなりません。

〔写真:昨日朝、当地から遠望した筑波山〕
tukuba5


+++++万葉集二歌補足
 二歌の解読を持ち出した理由はもう一つあったのですが、前回その事を書き忘れました。私が万葉集に格別の関心を抱くようになったのは2008年3月の九州旅行で佐賀に拠してあちらこちらを見聞したことがきっかけでした。それ以後何回か繰り返し万葉集の初期歌群の解読を試みてきました。その作業を繰り返すごとに新発見があり、少しずつ以前の解読を修正しています。
 
 この作業で私が最も注意したのが以下です。万葉集で用いられている漢字は、〔1〕「倭語の音表記」と〔2〕「倭語の訓(意味)の伝達」の両用で使われています。とかく「万葉仮名」を(1)の意味でのみ理解しがちです。しかし、漢字が本来持っている「意味」〔訓〕を活用することで、歌の詠み手の思いを効果的に聴者に伝える技法をも巧みに用いています。

 さて万葉集二歌について、当たり前のことと私が勝手に思い込んで、書き込まなかったことを念のために書いておきます。それは、この歌の舞台が奈良盆地ではなく、九州佐賀県であることです。殆どの研究者・学者さんは、子の歌に付された「題詞」に縛られ、歌の舞台は奈良盆地であると決めてかかります。其処から歌には「海原」と明瞭に詠み込まれていても、それは湖〔ミズうみ〔海〕〕であろうと苦し紛れの解読となるのです。したがって、海に生息するカモメの飛来をどう理解してよいか分からなくなるのです。さらには、高々標高100m強の天香具山から、金剛山系の向うにある大阪湾の海が見えるはずは無いのです。詳しくは本ブログで書いて来ましたが、この二歌で登場する天乃香具山は佐賀県中央部に腰を据える「天山」である事は間違いありません〔2012年8月22日〜9月3日記事参照〕。

 この歌と、次の三歌の間には、幾つかの歌が存在したかもしれないと想像しています。しかしそれらの歌は当時(多分八世紀半ば)の藤原一族という支配者による「政治的意図」に基づく介入があり、それらは取り除かれたのかもしれません。いずれ、考察しますが八世紀半ば、大仏建立前後から、闇の権力の影を引きずる藤原一族への決別の動きが顕在化しつつあった時期ではなかろうかと思っています。
いずれにせよ、八世紀半ばに編纂されたと思われる万葉集、その初期歌群の時間的連続性は、そうした政治的思惑のせいで断たれているのかもしれません。しかし、その時間配列、つまり歌が並んでいる順序については、同一の巻の中ではクロノロジカルであろうと思っています。

 これらを前提とすると、隣り合う歌をつなぐ鍵があることに気づきます。再度二歌を見てみます。

題詞: 高市岡本宮御宇天皇代 [息長足日廣額天皇] / 天皇登香具山望國之時御製歌
原文: 山常庭 村山有等 取與呂布 天乃香具山 騰立 國見乎為者 國原波 煙立龍 海原波 加萬目立多都 怜A國曽 蜻嶋 八間跡能國者
訓読: 大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島 大和の国は
仮名: やまとには むらやまあれど とりよろふ あめのかぐやま のぼりたち くにみをすれば くにはらは けぶりたちたつ うなはらは かまめたちたつ うましくにぞ あきづしま やまとのくには
http://infux03.inf.edu.yamaguchi-u.ac.jp/~manyou/ver2_2/manyou_kekka2.php?kekka=01/0002
〔このHPは山口大学・吉村誠教授がつくられた万葉集検索用ツールです。丁寧に作られており、私は頻繁に利用させて頂いてます〕

 その鍵の一つは一歌と二歌をつなぎます。それは一歌の「山跡国」と二歌の「八間跡能國」です。どちらも「邪馬(台)国」の「跡地」に渡来して間もない時期であったことが「跡」の使用から窺われます。ここで「跡」の使用を考えます。漢字を単なる倭語の「音」表記として用いたとするならばそれは「セキ」であり、結果として「ヤマセキ」と音するしか有りません。しかし、歌の詠み手は「跡」の意味を知って使っているのです。なぜなら単に「ト」を表音したいのであれば、他にしかるべき漢字、例えば「土、途、途・・・など」があるのです。
  
 さて、同様に二歌と三歌については、これらをつなぐ鍵が二つあります。「山常庭」を研究者は「大和には」と仮名を付します。「山常」を「やまと」としたい心情は理解できます。「常夏」は「トコナツ」と音しますから「常」を「と」徒仮名付ったのでしょう。

 鍵の一つは「庭」です。三歌には「朝庭」、「夕庭」と言う表現が登場しています。この庭は「宮廷」ヲ意味すると書いてきました。とするなら、この二歌の「庭」も宮廷を意味するはずです。「山常庭」とは「かっての山国の通常の宮廷」には「・・・」とつなげて解釈するのだと思えます。

 八世紀の半ば、万葉集の編纂者が、当時の支配者の厳しい検閲の目を掠めながら、この歌集が叙事詩である事の筋を維持すべく、こうした「キーワード」を遺し、後世の歴史家の鋭い構想力に帰したのではなかろうかと想像します。沿うとすれば、これまでの大方の歴史家・研究者の凡庸な解読を超えた万葉集理解にせまる研究者の出現が期待されます。
(つづく)

+++++地球に衝突する可能性のある危険な宇宙空間物質
「ロシアの声」が以下のニュースを発信しています。
%%%%%「ロシアの声」の記事転載
直径700mの小惑星発見、「潜在的に危険」
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_31/270488445/ 
規模の大きな小惑星が新たに発見され、「潜在的に危険」クラスに指定された。
2104 ER49と名づけられた。米国の「キャサリン」による今月8日の発見。天体はのち逸失したが、月末、再び出現した。再びの発見は24日、ロシアの天文学者レオニード・エレーニンによってなされた。ISON-NM自動天体望遠鏡が用いられた。 地球と最も接近するとき、両者の距離は0.016天文単位(230万km)となる。この数字が0.05よりも小さいとき、小惑星は「潜在的に危険」クラスに分類される。小惑星の規模は700〜750m。この大きさの天体がもしも地球に衝突したら、国がひとつ壊滅するほどのダメージとなるという。しかし、衝突の危険はなさそうだ。7月20日、地球から上記の距離を通過する。
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リア・ノーボスチ(vr: voice of Russia、Голоса России 、リア:ロシア・情報・局(?))
%%%%%記事転載

 幸いにして発見された物体は地球に遭遇する事は無いようです。これに関連してscientific american誌3月12日号が興味深い記事を載せています。二回に分けて紹介しておきます。
%%%%%暗黒物質が恐竜絶滅をもたらした?
http://www.scientificamerican.com/article/did-dark-matter-kill-the-dinosaurs/?&WT.mc_id=SA_WR_20140312
Did Dark Matter Kill the Dinosaurs?
暗黒物質が恐竜を殺したのか?
The solar system's periodic passage through a "dark disk" on the galactic plane could trigger comet bombardments that would cause mass extinctions
Mar 7, 2014 |By Elizabeth Gibney and Nature magazine
太陽系は銀河面上の暗黒物質を周期的に通過するが故に、コメットの地球衝突のきっかけとなり、生物絶滅を導いたのかもしれない。

Mass extinctions such as the one that wiped out the dinosaurs seem to happen with regularity, pointing to possible cosmic causes.
恐竜を一掃したあの地上生物大量絶滅は、原因を宇宙に求めるなら規則的に起きそうである。

A thin disk of dark matter running through the Galaxy might be behind the large meteorite strikes that are thought to be responsible for some of Earth’s mass extinctions, including that of the dinosaurs, two theoretical physicists have proposed.
The model is based on a hypothetical form of dark matter described by the authors and their collaborators last year, as a means to solve a separate cosmic conundrum. The existence of such a 'dark disk' could be tested soon by astronomical observations.
Mario Livio, an astrophysicist at the Space Telescope Science Institute in Baltimore, Maryland, who was not involved in the research, says that the latest idea, which brings together two speculative and very different theories, is “very interesting”, even if the evidence supporting it is far from compelling.
 銀河系を走りぬける薄い円板状暗黒物質が大きな隕石の後ろにあり、その大姻戚衝突が恐竜を含む地球の大量絶滅のうちのいくつかにかかわっていたかもしれない、と2人の理論物理学者が指摘した。
そのモデルは、昨年、個別の宇宙の謎を解決する手段として、著者と彼の共同研究者による暗黒物質の理論に基づいている。天体観測によってそのような「暗黒ディスク」の存在をテストすることができるかもしれない。
Mario Livio, an astrophysicist at the Space Telescope Science Institute in Baltimore, Marylandは、その考えに整合する証拠から、最新の考えは(それ論拠薄弱であったとしても)「非常に面白い」と言う。彼自身はその研究には加わっておらず、別の考えを抱いており、それは非常に異なっている。

Meteorites regularly pepper Earth's surface. Thirty years ago, physicists suggested that this bombardment intensifies cyclically, pointing to some underlying cosmic cause. One proposed explanation is that the Sun has an as-yet-undetected companion star, dubbed ‘Nemesis’ or ‘Death Star’, that regularly swings by, sending comets from the remote Oort cloud flying into the inner Solar System.
In the latest paper, theoretical physicists Lisa Randall and Matthew Reece, of Harvard University in Cambridge, Massachusetts, reignite another proposal which puts the supposed periodicity down to the way the Sun — and the Solar System with it — move inside the Milky Way. As the Sun follows the swirling motion of the Galaxy's arms, circling around the galactic center, it also moves up and down, periodically crossing the plane that cuts the Galaxy into a top and a bottom half like the two bread slices in a sandwich. The authors suggest that as the Sun oscillates up and down, it crosses a denser layer of dark matter — like the ham in the middle — causing a gravitational push and pull that disturbs comets in the Oort cloud.
 隕石は規則的に地球表面にふりそそいでいる。30年前、物理学者は、ある基本的な宇宙の原因を指摘して、この爆撃が周期的に増加することを示唆した。1つの有り得る説明は、太陽系内にまだ発見されない「ネメシス」とも「デス・スター」と呼ばれる小惑星が存在するということだ。それらの小惑星は、太陽系に遠く離れたOort雲から彗星を規則的に送り出されたものだ。
 最新の論文で、theoretical physicists Lisa Randall and Matthew Reece, of Harvard University in Cambridge, Massachusettsは、その機構を仮説した。それによれば、その周期性は太陽(またそれを備えた太陽系)でなく銀河系の内部の動きによるのではないかと。
 銀河中心のまわりで太陽が銀河系の腕の渦巻き運動に従うと、それは、サンドイッチ中の2つのパン・スライスのように銀河系の上面と底面を半分ずつ切り取るように周期的に交差して、上下に移動する。それらは、太陽が上下に震動する毎に、暗黒物質の希薄な領域と濃密な領域を横切る。それは中央にあるハムのようなものだが。その運動が重力変動をもたらしOort cloud雲の中のコメットを刺激するのだ。
(つづく)

 どうも、ついついブログ記事が長くなり、結果として記事を読みづらくしています。週末ですので、今回はこのあたりで一旦書くのを休み、週明け月曜日に、万葉集二歌、そして宇宙空間のコメットの飛来の続きを書きます。